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気の向くままに、絵を描いたり読書したり。時間がある時は映画も見るし、PSP&Vitaもいじったりもする。
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迷い猫の足跡

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2014/01/07 (Tue) 21:42
VVV二次2

前回上げたVVV二次創作の続き。

中編です。え、後篇じゃなくて?とか言わないでください(笑)
では、どうぞ~。

「納得いかないって顔してたねぇ…王子様」


カチッ、カチャカチャ


「もうその話は終わりだ、ハーノ。私の言葉はカイン様の…」

タタンッ、ガガガッ

「はいはい、よーく理解してますってば冗談だろ」
「そうだな…」

ガチャ…ドカッ…

「やばっ…あ~ぁ、ちぇ~」
「なに、負けたの?」

 ずっと携帯ゲームで遊んでいた最年少の大尉クーフィアが悔しそうに画面を睨む。待機の間は今の様に
ゲームに熱中しているか、アードライにちょっかいを出したり、自分達の話を詰まらなさそうに聞いている。

「ハーノインがうるさいからだよ~」
「はぁ?お前の腕の問題なんじゃないの~?」
「違うよ!じゃ、ハーノインもやってみなよ!」
「興味ないね~」
「ふ~ん、負けるのが怖いんでしょう?」

カチンッ

 ならば貸せと言わんばかりに無言で手を差し出すハーノイン。クーフィアは満足そうに、悪戯な笑みを
浮かべて、お気に入りの携帯機を手渡した。

「はぁ…ハーノ、大人気ないぞ…」

 二人のやり取りを横目にイクスアインは、ちらりと彼が歩いていった方角に視線を送った。




◆裏切り者と王子様


ズキンッ

「…っ」

 あの時、僅かにこちらの反応が早かった。それでも、弾は貫通する代わりに左目を正確に捉える。
この命は、甘さより先に、体に染み付いた軍人としての自分が反応したからこそ繋ぎ止められたのだ。



ガンッッッ―…!!



 誰もいない廊下で、金属音が反響する。

“はーい。エルエルフは~、裏切りました~!”

 戸惑うイクスアインの声と、何の躊躇いも無く報告をするクーフィアの声を最後にアードライは
意識を失った。次に目覚めた時には、治療室のベッドの上で寝かされていた。どうにか視線を動かすと、
見知った二人が立っている。こちらに気づいたイクスアインとハーノインが一瞬、あっという表情を浮か
べるも、すぐにいつもの調子に戻って自分を気遣う。


 左目以外、特に外傷は無かったが決して楽観視すべき状態では無い。だからこそ、上体を起こそうとする
アードライを見兼ねてイクスアインはアードライを制止した。

「まだ無理はするなよ、アードライ。今は休め」
「計画は…どうなったんだ?」聞かずにはいられなかった。
「失敗したよ」

 そう、淡々と答えるイクスアイン。アードライは無意識に前髪を払おうとして、指先に触れる物に気づく。


包帯…あぁ、しくじったのだ


咄嗟に身をずらしたが、目を弾が掠めて


一体誰に撃たれた?


誰に……


「エル…エ……ルフゥっ!!」

ギリッ

真白な包帯にうっすら赤いものが滲む。次第に濃くなり…。

「なにしてるだ!止めろアードライ!」
「おいっ!落ち着つけよ王子様っ!」
「何故だ、何故私を裏切ったぁぁぁぁぁっ!エルエルフっっ!!」

 憎悪にも似た紅い炎が、チリリッチリリッと傷ついた瞳の奥で燃え始めた。



※※※


『ドルシアは何処に行くつもりなんだ…』まだ幼さが残る少年が、隣に座る銀髪の少年へ問いかける。
『……。』

 問われた少年もまた、落ち着いた雰囲気から大人っぽさを感じさせるが、実際は問いかけた少年と
変わらないだろう。チラリと三つ編みの少年へ視線を動かすが、直ぐに興味を無くしたように視線を戻す。
 腰かけた岩場で"答える気は無い"と言わんばかりに数回、ぷらぷらっと足を振る。
それを合図にするかの様に、ようやく雲が晴れ、青白い光を帯びた満月が顔を覗かせる。闇に光が交る。

『聞いてくれ…私は、私はドルシアを革命する!』

 空が完全に晴れ渡る。二人が腰かけている岩場とその下にも、僅かに明るくなった。その足元には、ごろごろと
何かが大量に転がっている。
 よく見れば、少年二人が着ている物は軍服だ、白地に大きく何かの紋章を描いたような、金色の刺繍が施されている。
しかし、その紋章も今は大方隠れていた。赤黒くなった染みによって。

『だから、頼む。私に力を貸してくれ…いや、私と共にドルシアを革命しようエルエルフ!!』
『……ふっ、ふふ』
『無謀なのは解っている、だが君と二人なら―…』
『くくくっ…あはははっ!!』
『エルエルフ、私は本気で…』
『アードライ、俺はドルシアが何処に向かおうと興味は無い。だが、俺にも目的がる』

 不安な瞳で見つめるアードライとは対象に、自信に溢れた、けれど何処か悪戯な笑みにも見える表情の
エルエルフ、その瞳に迷いは無い。

『お前はドルシアを革命しろアードライ、俺は俺の目的の為に―。』
『……。』


ピピピッ――。通信機が点滅する。


『アードライ、二人で革命だ』
『エルエルフ!!』


ガガ――ッツ。通信機が震える。


『任務完了。エルエルフ・カルルスタイン、アードライ特務大尉と共に帰投する』



了解シタ。速やかに帰還せよ。ブツンッ――。


 エルエルフは通信機をしまうと、軽く土埃を払い立ち上がる。アードライもそれに倣い、土埃を
払い落とした。その仕草には、何処か気品に溢れるものを感じさせる。どうやら噂は本当らしい。
エルエルフは銃とナイフを確認し、崖から飛び降りる。アードライもそれに続く。気付けば空が少し
明るくなり始めていた。



ザツッ、ザクザクッ。



歩き始めた二人、ごろごろ無残に転がるソレを気にも留めず、ただ前へ進む。


『エルエルフ』
『何だ?』
『君は、私の光だよ』




ザッ…ザク。




『どうした?エルエルフ』





"半分こしましょう、私の命を半分あげるから―。"


無残に切り落とされた髪を掴んで幼子は笑う。


"みなさんお願いです、どうかこの人を助けてください"




ザッツ、ザク、ザク…。



『可笑しなやつだな君は』

急に立ち止まったかと思えば、再び歩き始めるエルエルフに、アードライは苦笑する。

『俺は、また勝ったよ…リーゼロッテ…』
『ん?何か言ったかエルエルフ?』
『いや、何でもない。のんびりしている暇は無い急ぐぞ』
『ああ!』




ザッツ、ザッツ、ザッツ――。



 風が吹き、二人の髪を揺らす。そして、その後ろには、光を失った瞳が幾つも並ぶ。何も言わず、
空虚の瞳で、ただ無言で少年二人の背中を見つめていた。
 いくつも、幾つもの屍を踏み越えて、二人は来るべきその日まで、前だけを見つめて荒野を行く――。




※※※※



ピピピ――。


「イクス」
「……。」

カチャ、カチャカチャッ!!

「イクスアイン?」
「……。」

ガチャッ!タタンタッタ、カチャ

「イクスアインさ~んってば!ねぇ聞こえてる?」
「え…あぁ、何だハーノ?」
「"何だ、ハーノ?"じゃないでしょ~。鳴ってるだろ」

 言われて点滅する通信機に気付く。しまった、私とした事が。イクスアインはハーノインに背を向けて
通信機を耳にあてる。

「珍しいな、お前が直ぐに出ないなんて」
「すいません…カイン大佐」
「いや、良い。それより先程、彼が来たよ」
「アードライですか?」
「ああ、イクスアイン」
「はい」
「友を思う気持ち、私は嫌いでは無いよ」
「…カイン大佐?」

―コンコンッ―

―失礼します、カイン大佐……ああ、出直しましょうか…―
―いや構わない、少し…待っていて…くれ、クリムヒルト…―


「イクスアイン」
「はい」
「次の作戦、補足がある。後でこちらに来てくれ」
「はっ!了解ですカイン大佐」


ブツッ。


「カイン大佐だろ?アードライがどうしたって?」
「ん?あぁ、次の作戦について補足があるからと…」
「ふ~ん、それで?」
「……。」

 黙り込むイクスアイン。長い付き合いだ、隠すつもりでは無い、何をどう言って良いのか上手い言葉が
見当たらない。恐らくそんな所だろう。ハーノインは、ポンとイクスアインの肩を軽く叩いて、アードライが
歩いて行った方角とは逆の方へと足を向ける。

「じゃ、俺はイデアールの様子でも見にいこうかな。何かあったら通信機鳴らしてよ」
「…ああ、後でなハーノ」

 返事の代わりに、ひらひらと手を振りながら歩いていくハーノインの背中をイクスアインは
無言で見つめた。
気にならない訳でもないだろうに、本当にこういった所は感心する。イクスアインは通信機を
元に戻し、いつの間にかゲーム音が止んでいる事に気付くと。クーフィアの方へ視線を動かすと、
後ろから僅かな衝撃を受けた。

「わぁっ!!」
「なっ!…んだ、クーフィア突然」
「突然じゃないよ~だ、てかイクスアインぼんやりし過ぎ」
「ぼんやりなど…」
「早く行かないとカイン大佐に怒られちゃうよ~?」

 大佐を真似てか、片目を隠して、指でもう一方の目尻を釣り上げる。

「クーフィア!」
「わ~、イクスアインが怒った~逃げちゃえ!」

 クーフィアはハーノインが歩いて行った方角へ身を翻し、にやにや笑って立ち去った。

 全く、いつまで経ってもクーフィアは、何処か子供っぽさが抜けない。
 はあ…と溜息を一つつくと、イクスアインは襟を正し気を引き締め直すと、二人とは反対の
方向へ歩き出した。



※※※※※


『君には、特別の任務をしてもらいたい』



「……」


カシャ、カシャン――。


『潜入後の行動は君に任せる、良い報告を期待しているよアードライ』



カシャカシャカシャ、カシャン――。


「これで大佐の任務は果たした、後は――…」


 目的のモノを確認し、アードライは撮影機をしまって、今度は銃を片手に構える。オレンジ色の光、
幾つもの円柱状のガラスの中には、実験の経過を物語る標本が浮かぶ。中には臓器や脳の様に思える
物もあった。中立などと言っておいて、学生達が生活する地下を利用して平然と兵器開発を行っていた。
そして、ここの学生達は、あの襲撃の後だと言うのに再び敵の侵入を許した。


ジジッ――"咲森学園の諸君、この学園はエルエルフ・カルルスタイン特務大尉が占拠した。時縞ハルト直ちに――…"


「この声はエルエルフっ!!占拠だと…どういう事だ!?」



『おいおい、ちょっとは落ち着きなよ王子様。だから、あの時こいつに乗ってたのは
 時縞ハルトこの学生!エルエルフじゃ無かったんだ』数時間前のハーノインの言葉が脳裏をよぎる。
「時縞ハルト…」

 そうだ、あの時も。エルエルフが庇う様に、そして自分に銃口を向けた時も、動画の少年<時縞ハルト>が
側にいた。先程エルエルフは占拠したと、確かにそう口にした。

「そうだ…そうだとも、やはり何か考えあっての事。貴様が私を裏切るなど考えられない
 <時縞ハルト>が全ての元凶だ…!」




『お前はお前でドルシアを革命しろアードライ、俺は俺の目的の為にドルシアを革命する』




 忘れていた紅い炎が、再びチリリッチリリッと傷ついた瞳の奥で燃え始める。その炎は次第に勢いを
増していく。ギリッっと銃身を握る手に力がこもる。


「待っていろエルエルフ、たとえ片目でも、貴様を見間違いはしないっ!!」
 紅蓮の炎を瞳に宿し、アードライは地上へ向かって歩き出す。


※※※


ゴウンッ――。


 銀髪の少年が無言でエレベーターに乗る。これでもう後戻りは出来ない。だが、ヴァルヴレイヴも
そのパイロットである時縞ハルトも今は自分の手の中にある。15分後には自動再生される校内放送を
時縞ハルトも聞くだろう、反発分子も全て想定済み、いくら拒もうとも契約に応じざる得ないのも
時間の問題だ。


「アードライ、俺は俺のやり方で革命する。ヴァルヴレイヴを使ってな」


ガチャンッ!!

銀髪の少年が銃とナイフを携えて、かつて肩を並べて戦った戦友に、別れを告げた――。
------------------------------------------------------------------------------------
end.

次回は後篇です!勿論、先にUPした前篇の後篇となるお話です(笑)
それではまた~。

2014/01/07 管理人 鳶ゑ
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